2016年2月25日木曜日

留学までの道のり (3) --現地訪問--

オランダの大学院へ博士課程学生として研究をしています。前回と前々回で、アプライからスカイプ面接までについて書きました。スカイプ面接で合否が決まっていたわけではなく、ほかにもう一人候補がいたようです。ただそのときはそのことは知らず、どうしても現地に赴いてラボの雰囲気を確かめておきたかったので、無理を言って訪問させてもらいました。今回はその訪問の際の様子を書きたいと思います。二年以上前のことですのでかなり思い出しながら書きます。

面接は2014年の11月4日で、オランダへは11月1日に到着しました。4日までの3日間は、適当にだらだらしたり外に散歩したりして過ごしました。11月でしたので午後4時過ぎには暗くなり始める季節で、その日没の早さに驚かされたのを覚えています。

4日は約束通り朝10時にボスの部屋に到着し、まずはボスと30分ほど世間話などをしました。スカイプのときに研究に関することなどは話していたので、オランダの印象やオランダサッカーのことなどを話し(ボスはPSVという強豪チームのファンです)、その後ボスにラボ案内してもらいました。

日本で所属していた研究室もかなり強力な装置を持っていましたが、オランダのラボの装置の充実ぶりには驚きました。一台数千万円はする装置が一つの部屋に何台もあり、そのような部屋が3つもありました。現在は私も好きにそれらの装置を使っていますが、世界でも最も恵まれた分光研究室の一つだと思います。

昼食前にプレゼンの時間も設けてもらい、用意していた20分程度の、修士課程での研究の発表をしました。応募したラボは6人ほどの小さいグループですので聴衆もそのくらいと思っていたのですが、他のグループからも多数聴きに来てくれて、20人くらいの前での発表になりました。発表中でもバンバン質問が来て、おぼつかない英語でなんとか受け答えをしたのを覚えています。

ランチはそのまま20人くらいで食べに行きました。何を食べたかは全く覚えていませんが、ボスがおごってくれたのは覚えています。ボスは今でも、出張に同時に行ったりすると結構おごってくれます。オランダ人はケチだと日本で聞いていましたが、そうでもないようです。

ランチの後はラボの学生やポスドク一人ひとりと話す時間を設けてくれて、また同じ専攻の他のグループの先生や学生とも話すように手配をしてくれていました。国籍が様々で、それぞれの英語になまりがあり(ちなみに私は大阪なまりの英語です)、英語が苦手だった私にとってはほとんど何を言っているかわからない人もいました。ただみんなよい人だということはよくわかりました。その印象は今でも変わりません。

一通りみんなと話をし、午後4時ごろに再びボスの部屋で1対1で話しました。その時に、君にオファーをすることに決めたと言ってくれました。二つ返事でオファーを断る理由がないので喜んでお受けします、と大阪なまりの英語で答えました。

その後すぐに秘書のところに連れて行ってもらい、ビザや住む場所に関することを話しました。日本に帰って早速ビザの手続きをし、12月の終わりには労働契約や賃貸の契約などを済ませました。

合格が決まってから渡航までの3か月は、日本での研究と合わせてオランダでの研究計画を詰める毎日でした。

以上のように、応募から1か月ちょっとで晴れて留学先が決まりました。決まらないときは何も決まらないけど決まるときはすぐに決まるんだなあと思いました。タイミングというか、間というものがやはり何事にも大事なのかもしれません。

ちなみに、私ともう一人同じポジションに応募してきていたのはトルコからの学生で、現在は隣のラボに雇われています。彼もサッカー好きで、今では私のオランダでの親友のひとりです。


 2014年11月、雨ふりのアムステルダム
2014年11月2日、アヤックス対フィテッセ。熱気がむんむんでした。

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