日本やアメリカの大学院では研究科や専攻単位での応募が普通なようですが、ヨーロッパではほとんどの博士課程の学生はボスに直接雇ってもらっていると思います。国から援助を受けて来ている人もいますが、その場合でもボスがOKと言えば所属できるのが一般的です。
私の場合も、ボスに直接アプライしました。ちょうど二年前のことです。
博士課程で留学しようと思っていたものの、中々受け入れ先が決まりませんでした。というか、そもそもどうやって博士課程の学生として留学できるのか、情報が圧倒的に不足していました。
はじめは興味を持った論文の責任著者のメールアドレスに、「自分は○○の研究をやりたいと思っている。△△や□□の知識、経験、スキルを自分は持っており、それをこういう形で活かして○○の研究を進めたい。あなたの研究室で私を雇ってもらえないか。」といった内容のメールを送ったのですが、大抵は反応なしか、「面白そうだけど今は研究室に君を雇えるお金がない。お金を自分で(奨学金などで)持ってくるなら来ていいよ。」といった返信でした。
日本の財団の奨学金にもいくつか応募したのですが、ノーチャンスでした。日本奨学生機構からお金を借りることは可能でしたが、修士修了までにすでに800万円くらい借りていたこともあり、これ以上の借金は難しい状況でした。
そんななか、色々調べていくうちにNaturejobsというウェブサイトを発見しました。これは科学雑誌のNatureが運営している求人サイトで、博士学生やポスドク、助教などの主にヨーロッパでの求人が多く掲載されています。
ためしに自分が興味があったキーワードで検索すると、ちょうど自分のやりたいことに近い研究での博士学生の募集が2件ありました。そこには給与などの情報も書かれており、早速カバーレターとCV (履歴書) を書いてそれぞれの先生に送りました。ドイツに1件、オランダに1件です。
カバーレターには1ページくらいで自分は何者で、どのポジションに応募しようとしているのか、また自分がどのようなスキル・経験を持っていてどのようにそのポジションに活かせるのか、というのをまとめます。
この場合は、向こうも学生を欲しがっているので、レスポンスはかなり早く、また具体的な質問もされました。この時点で、私はかなり可能性があるのではないかと感じました。
その後色々な過程を経て晴れて受け入れ先が決まったのですが、少し長くなってしまったのでその過程は次回書きたいと思います。
強風でも倒れないように、逆さにして駐輪している自転車。
(今回の内容とは一切関係ありません。)


