今回は、その後面接を経て受け入れが決まるまでの過程を書きます。
最終的にドイツとオランダのグループから受け入れ許可をいただいたのですが、最終的にオランダを選択しましたので、オランダの話をします。ドイツの面接も同じような流れでした。
(ちなみにオランダを選択した理由は、ボスとの相性、グループの雰囲気、ラボの予算(実験にはお金が必要です)、街の雰囲気、給料の額、などです。)
まずNaturejobsへの応募後、次の日くらいにその研究室のボスのジョンからメールで返信が来ました。「君がやっていたのは〇〇という随分我々がやっているのと異なる分野のようだが、君がどうしてこのポジションに適切だと思うんだ?」と聞かれました。私は工学研究科にいましたので、ジョンとは畑が違うと思われたようです。
「僕はレーザーを使って〇〇の物理化学を研究していました。その間にレーザーに関する知識と技術を身につけ、今では自在に光学系を扱えます。さらにもともと有機化学や分子生物学に興味があり勉強していたので、物理、化学、生物の広い知識があります。ですのであなたのラボでやっているレーザーを使った分子・原子レベルの生物物理の研究に大きく貢献できるはずです」などと答えました。
謙虚さは大事ですが、いかに自分ができるのかのアピールも大事です。自分のできることを口に出すことは日本では何か悪いことのように捉えられますが、当然必要なことです。極端に言えば「何も言わないということは何も考えていない」ととられても仕方ないということです。
数日後に、スカイプ面接をしようとジョンから連絡が来ました。スカイプとはいえ、面接前はとても緊張したことを覚えています。私の自宅のインターネット環境が悪かったので、大学の、一人になれるラボの中でスカイプにつないで面接しました。
質問されたことは、なぜうちのラボに応募したのか、うちのラボで何を期待するかなどでした。つたない英語で一生懸命説明しました。その後ラボでの研究スタイルについての議論、また給料やティーチングタスクについての話など細かい話をしました。
最後に質問がないか問われ、自費でいいからラボに訪問させてくれとお願いしました。数年間過ごすラボだったので、その雰囲気を実際に見ておきたかったのです。ただこのスカイプ面接の時点で感触がとてもよかったので、合格になるだろうとはなんとなく思っていました。
次回は実際に訪問した際の話を書きたいと思います。
[追記] 実は、応募してからスカイプ面接の間にもうワンステップありました。私がいた京都大学の別の研究科に、過去にアムステルダムで研究されていた日本人の若い先生がおられたのです。その先生はジョンと知り合いで、私がジョンのラボにアプライした翌日くらいに、ジョンからその先生に「君の大学の○○(私です)というやつが応募してきたから、どんなやつか見てやってくれ」という連絡が行ったようです。
私はその先生とは全く面識がなかったのですが、後日その先生の前でプレゼンをすることになりました。大慌てで発表資料を整え、これまでやってきた研究の紹介とこれからやりたいことを20分程度プレゼンさせてもらいました。その後いくつかの質問に答え、無事にプレゼンを終えました。その後に軽く飲みに行こうという話しになり、飲みながら色々お話しました。
実はその先生は私と同じくお酒が大好きな方で、話もとても合いました。その先生がジョンに良いフィードバックを送ってくださったようで、それが合格に大きく影響したと思います。お忙しい中時間をとっていただいた先生には感謝すると同時に、良いご縁に恵まれたなあと思いました。ちなみにその先生とは今でも仲良しで、私が日本に帰るたびに飲みに連れて行ってもらっています。
ラボのクリスマス会と題してボーリングに行きました。
みんなびっくりするくらいヘタクソでびっくりしました。
(本文とは関係ありません。)


