2014年11月11日火曜日

オランダを選んだ3つの理由

私は今年の2月からアムステルダム自由大学で博士課程の学生をしていますが、その前に面接と研究室案内を受けるために、一度オランダに来ています。それがちょうど一年前の今日だったなあとしみじみ思ったので、なぜオランダに来ることになったのか、そのいきさつを書いてみたいと思います。

私は高校生くらいのときから、いつかは海外に出たいと漠然と思っていました。それが明確になったのは学部4年生で研究を始めて少したった時くらいだったと思います。研究者になろうと明確に思い始めたのもそのくらいの時期です。研究をするには国内外問わず広いコネクションが重要なんだなあと思い始め、また英語の重要性もひしひしを感じていました。また、日本のような閉じた国と海外では研究に対するアプローチも違うのではないかと思い始め、色々なアプローチを特に若いうちに経験しておきたいと思っていました。

それらの要求をすべて満たしてくれると思い、博士課程での留学を決断しました。といってもすんなり留学先が決まったわけではなく、かなり遠回りした方だと思います。そのことに関してはまた次回以降に書きたいと思います。

正直研究は世界各国どこでもできるので、オランダに来る必然性はありませんでした。縁があってオランダに来ることになったわけですが、いくつかあった選択肢からオランダを選んだ理由は主に3つです。


① 自分の今と将来をつなぐ研究内容

私は物理を主に勉強してきましたが、将来は神経科学の研究をし、脳の機能を解明したいと思っています。実はいくつか神経科学の研究室の先生にもコンタクトを取ったのですが、どこの馬の骨かもわからない、しかも神経科学はおろか生物学のバックグラウンドもない学生を雇ってくれるところはないのが現状でした。ならば自分の学んできたことを活かし、かつ将来にやりたい神経科学の研究につなげられる研究室を選ぼうと思い、光を使った生物物理の研究で神経科学にも関わりのある仕事をしている研究室にいくつかアプライしました。その中の一つがオランダの研究室だったのです。

② 結果が出そうな研究室

私は、目に見える結果は博士課程では非常に重要だと考えています。結果の出そうな研究室を選ぶなんて、なんかセコイように思われるかもしれませんが、この段階では結果の出やすさは当然考慮すべきことだと考えています。結果が全てではありませんが、結果がないと次の職がありませんから。私自身、学部と修士の間は非常にチャレンジングな研究をしていました。さらにその内容は研究室の主流から全く外れたもので、周りに相談相手がほとんどいない中自分で苦悩して研究を進めていました。しかしとうとうその研究で論文を書くところまで持って行けず、世間的には何もしていなかったと同じというとても悔しい結果に終わりました。その経験は自分の礎となっており、苦労を重ねたことで得たものは今では非常に役に立っています。しかしこれから研究者として生きていく私にとって、目の前の結果も重要だと考えています。今いる研究室は結果は得やすい環境だと思いますし、それが今の研究室を選んだ要因の一つです。

③ ボスとの相性

博士課程には3-5年程度(国によって異なり、オランダでは基本的に4年)在籍するので、ボスとは否が応でも頻繁にコミュニケーションをとることになります。ボスにはいろんなタイプがいると思いますが、そのタイプと自分のスタイルが合わなければお互いに不幸です。私は細かく指示されるのは苦手で、放任主義のボスが良いと思っていました。実際今のボスとスカイプ面接をしたり実際に合って話すと、そのボスは学生やポスドクに多くの部分を任せ、結果については詳しく議論してくれるタイプだとわかりました。また、研究室の規模も学生3人にポスドク3人程度と決して大きくはなく、こじんまりしているグループが好きな私の理想ともぴったりでした。



長くなってしまいましたが、結論としてはオランダに来て本当によかったと思っています。研究環境もさることながら、自然や街並み、居住環境、人間も素晴らしい国です。(とくにサッカーとビールが大好きな私にとっては最高の環境です。)

応募や面接のプロセスなども、これから留学しようとしている方々にほんの少しでも役に立つかもしれませんので次回以降に書いてみたいと思います。

晩秋のライデンの風景



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